〈head〉 〈head〉

苔の本棚blog

読書や趣味など大好きなことについて記事を書いています。4月から社会福祉士として働いています。

【人間 この未知なるもの】人間は幸福になれたのか?

f:id:ryota24k:20200927074013j:image

 

こんにちは!
今日紹介するのは【人間 この未知なるもの】です!


本書は、生理学×心理学×社会学のような位置づけで、難易度は自分にとって高く、かなり時間を要しました…。(一週間ほど)
要約するのは難しいので、今日は著者が本書を通じて伝えたいことはなにか?そこだけ紹介します!

 

テーマ①

人間は「人間そのもの」を知らなすぎる

f:id:ryota24k:20200927080950j:image

 

物質の組成や性質を学ぶことにより、私たちは、地球上に存在するほとんどすべてのものを支配できるようになった。ただ、人間だけはそれに含まれない。(p29)

なぜか?

誰もが、人間の体や意識のメカニズムを発見することよりも、自分たちの仕事や負担を軽くし、交通や通信を迅速にして、生活を楽にしてくれる発明のほうにより興味を持った。(p34)

「人間科学」という学問はありますが、他の学問に比べるとまだまだ発展途上。発展しにくい理由としては、「人間」という要素が複雑すぎることが挙げられるます。解剖学、生理学、心理学、精神分析学、社会学、全てを統合する必要があるからです。

 

テーマ②

人間の本質を考えずに発展した科学。現代文明は、人間を幸福にしているのか?

f:id:ryota24k:20200927075555j:image

今の世の中は便利になりました。情報もすぐに得ることができますし、科学も発展し、医療も進化してきています。教育も昔よりしっかりとした仕組みにされ、日本では義務教育で中学校まではほぼ全員通うことができます。しかし、著者は現代に生きる人々を以下のように表現しています。

現代文明における人間の特色は、主として、かなりよく活動はするが、それはもっぱら人生の実用的な面に向けられていること、とんでもなく無知なのに、ある種の抜け目なさを持っていること、そしてある面では精神的な弱さがあり、たまたま置かれた環境の影響を受けやすいということ、などである(p42)

 

急増した精神疾患の患者、自殺者数、女性の出生率低下、少子高齢化

それらの問題は全て、人間の本質を無視しながら発展した科学の影響によるものなのかもしれない…。

 

 

 

改訂新版 人間 この未知なるもの (単行本)

改訂新版 人間 この未知なるもの (単行本)