文豪たちの手紙を読んで感じた言葉の力
巧みに言葉を使う文豪たちが書く手紙📨
今どき手紙書く人は少ないかもしれません。メール、LINEで文字を打って送信する。それが、離れている人とコミュニケーションを取る方法として当たり前になっています。
本書で登場する文豪たちが生きていた時代では、離れた人と話す方法としては手紙くらいしかありませんでした。
そのため、言葉の重みが今よりもズッシリとあるような気がします。
この本で紹介される手紙は41通。
恋人への手紙、家族への手紙、友人への手紙、そして別れの手紙が紹介されてます。
それぞれの手紙に解説や、経緯も書いてくれているので、書き手の思いが伝わりやすい本です。
ここで一つの手紙を一部紹介します。
芥川龍之介が、恋人に送ったプロポーズの手紙です。
理由は一つしかありません。僕は文ちゃんが好きです。それだけでよければ、来て下さい。
この言葉には、おそらく色んな想いが詰まっているんだろう…でもあの芥川龍之介でさえも、その溢れる想いを表現する言葉が見つからなかった。
おそらく頭に浮かんだろうたくさんの言葉達を削りに削って手紙に書いたこのシンプルな言葉。
これを受け取った文という女性には、その想いは必ず伝わったでしょう。
言葉の力について
この本を読むと、言葉には不思議な力があるんだなと改めて感じます。
「言葉」は誰でも使える。
その「言葉」を使って、人々を感動させ、癒すことができる人。
その「言葉」を使って、人を傷つけ、痛めつけようとする人。
最近はSNSでの誹謗中傷で苦しんでいる人のニュースもよく見ます。使い方によっては言葉は凶器にもなるのです。
誹謗中傷された人が弱いのではありません。
色んなプレッシャーに耐え抜いてきた人でも、ポキッと心が折れてしまうくらい、言葉の力って凄まじいのです。
逆に言うと、
人を励ます、感動させる、癒す、安心してもらえるように言葉を使うと、きっとその言葉を受け取った人は嬉しいと思います。心が折れそうな人は、あなたが送った言葉を聞いて、上を向くことができ、「もう一歩進もう」と立ち直れるかもしれない。いや、きっと立ち直れます。
さらに、良い言葉というのは伝染していくものです。受け取った人は、さらに他の人へ届けようとする。
「バズる」の本質は、自分が受け取った言葉を他の誰かにも受け取ってほしい。本来それが形になったものではないでしょうか。
さて、
「不思議な力を持つ言葉」を扱える私たちには、選択肢があります。
それはどんな言葉を相手に届けるか。です